10月23日は『化学の日』です。
アボガドロ定数で、物質量1molの個数は6.02214076×1023 mol−1
と定められていることにちなんでいます。
10の23乗個とは想像もできないほど果てしない数字です。
高校の教科書には1molは6.02×1023 個となっています。
単位記号のmolの考え方で理科の楽しさを忘れて挫折する人も出てきます。
そこでアクティブラーニング。楽しくアボガドロ定数を考えてもらおうということで実験を行いました。※参考にしたサイトはコチラ
使う材料は、『岩塩』
塩の塊です。
この岩塩の結晶に含まれるNaClの数、物質量を求めていこうという流れ。
塩は、イオン結合していて、かたくてもろいという特性があります。
写真はヘラですが、釘など一点に力が加わるモノのほうがうまく劈開(へきかい)するようです。
少し「コツン」と、トンカチで力を加えるとスパッと割れます。
◇計測
ノギスで測定します。
数カ所の縦・横・高さを測り、平均を取ります。
ノギスの使い方はコチラ
すると、データはこんな感じに。
◇体積
右側の大きい方の岩塩で計算してみます。
縦 1.64cm
横 1.26cm
高さ 0.98cm
◇質量
3.788g
と、ここまで測定したら、後は決まった数と比較するだけ
◇イオン結晶の単位格子より
岩塩は、塩化ナトリウムNaClの結晶です。
プラスのナトリウムイオンと、マイナスの塩化物イオンの粒子が規則正しく並んでいますが、その一番小さい繰り返しの構造(↓の写真)が基準となります。
基準となるもの
□単位格子より
・NaClの粒子数・・・4個(1/2個。1/4個、1/8個を計算)
・体積・・・1.81×10⁻22 ㎤(1辺はイオン半径から計算)
□アボガドロ定数より
・1mol/L 58.5g 6.02×1023 個
① 単位結晶中の体積と個数、割った岩塩の体積がわかっているので、個数が求められます。
449×1020個
②割った岩塩の質量が個数が出て、質量もわかっているので、、、1mol58.5g中の個数が6.02×1023 個となるハズですが、、、計算すると
6.93×1023 個
と理論値からズレました。
いろいろ原因を考えて考察となりますが、、、
シンプルな数字ではないので、学生にはなかなか難しいでしょうか。
作業は楽しくワイワイ行っていましたが、いざ計算となると撃沈していました。