実験室の片付けをしていることを以前アップしました。
その時に、不要で廃棄してしまうのならば譲っていただきたいとの申し出がありました。
個人的には不要なものは再利用してもらった方がいいのではないか?お金をかけて業者に処分するというのは税金を使用しているため無駄ではないか?経費削減にもなるのではないか?と勝手に思っていました。
ところが、やはり公共のものというは簡単にはいきません。転用、貸与、譲渡等を行う際にはいろいろな法律も絡んでいるため、かなり慎重で難しいことになります。
不要な備品等があれば、まず、校内で本当に不要かどうかの確認から。キチンと書類を作成し職員間で情報共有します。
それから、自治体内の他校や博物館などで活用され必要とされるかを確認します。その後、不要とされるとマニフェストなどに沿って廃棄となります。
さらに薬品などの譲渡となると、毒劇物に関する法律もあり、運搬やその後の管理など解決していく事項がたくさんあります。
また、生物室によくあるはく製も注意が必要です。アオウミカメやタイマイのはく製を譲渡するには手続きが必要です。廃棄は可燃物として処分できるようですが、譲渡となるとワシントン条約が関係して届出など必要になります。
結論を言えば、公共のものを一人だけに払い下げる、譲渡するということはできないのです。
ただ一般的なものに関しては、SDGsの観点から廃校や統合になるときに大々的に告知して、備品販売会など行われるなど近年新しい取り組みを行う自治体が増えてきているようですが、そういうタイミングでないと難しいかもしれません。
参考までに・・・ググってみたらある大学生が卒業論文で発表していますが、再利用に関する業務にはかなり職員の手間がかかっている様子がわかります。
「公立小中学校の廃校における備品処分の実態と再利用方法に関する研究」
https://www2.kpu.ac.jp/life_environ/mat_cycle_soc/report/18kagii_honbun.pdf
また、個人的に勝手に持ち帰ることも処罰の対象となります。
処分する予定の古紙や本を古本屋で売ったり、もったいないと処分予定のものを持ちかった職員が処分されたニュースもあります。
SDGsが推奨されているので、再利用に関して手軽に実施できる何か良い方法、制度ができて欲しいなあと、思います。
※ 試薬瓶博物館さま。ご希望に添えず申し訳ありません。ご理解賜りますようお願い申し上げます。