実験室を片付けていると、理科教育振興法に基づいて購入された実験器具がいたるところに。
それらの実験器具・設備には三角形の「理振シール」が貼られているのでひと目でわかります。
理振シールが貼られた実験器具などは、国庫補助金を活用して購入されたものなので台帳管理(理科教育設備台帳)され、毎年報告しています。
処分する際も手続きが必要になるので、台帳管理している事務室などと連携して行いますが、いろいろな問題が発生しています。
文部科学省のHPにも問題点などの報告がされています。昭和28年に制定された理科教育振興法に基づいている事業ですが、時代とともに理科教育、実験なども変化している中で設備基準の見直し検討会が行われ、理数教育の振興の必要性、方向性、改善点などが報告書としてまとめられています。
「今後の理科教育等設備の整備の在り方について」のなかの「台帳管理の適正化」問題は、片付けをしている今まさに直面している事案で、理振台帳と現有する器具などの不一致が生じてしまっている状況でした。
不一致が起きると予算時期や補助の限度額が台帳の金額に影響があるため、時代に合わせて新しいものを購入したい時に困ることに・・・
ということで、どうせ片付けるなら台帳の確認もしながら!!と意気込んで始めてみたものの、過酷な状況に後悔しつつ整理完了しました。
ということで、自己満足の奮闘の記録・メモです。
①古い器具
歴史ある学校なので、昭和30年代の理振シールが貼られた器具が多数あります。
現在も活用されている器具などは問題ないのですが、理振シールがあるというだけで壊れている、または部品が欠けていて使用不可(サポート期間が過ぎていて手に入らない)、使用に耐えないものなのに台帳には残っている、新たに買換えたため使用していない、などの場合は問題です。
手続きをして台帳から削除した上で、使用不可の器具・設備の処分をするのですが、確認してみると、現有する器具・設備のうち約80%が昭和のものでざっと30年以上前に購入されたものと判明し作業は難航、かなりの労力と時間を要しました。
②理振シールの劣化・不備
年数の経過で理振シールが破損したり、記載なしや文字が滲んでしまって判読不可になってしまっていたり。
③理振シールがない
台帳に記載があっても、「理振シール」が貼られていないものもあります。使用しているうちに剥がれてしまったのだろうと推測。
片付け中に棚からは剥がれ落ちたであろう古い理振シールたちが出てきました。
④台帳にあるが、現物がない!
これが一番困る事態です。
事務室の方に購入した年代を台帳から辿ってもらったところ、昭和時代の台帳は手書きで毎年更新していたため、ある年度で転記ミスしてズレてしまっている項目などは難航しました。
百葉箱は台帳記載はあるけれど、校庭を探しても現物は見当たらず。木製のため長い年月の経過で朽ち果て撤去されたと思われます。
理振シールが剥がれてしまった後に破損して知らずに処分してしまったなど考えられますが、すでに約40年以上経過しているものばかりで諦めの境地です。
⑤現物に理振シールはあるが、台帳にはない!
いくつかの吸引ろ過ビンに昭和30年代の理振シールはあるけれど台帳にはなく、圧力をかけて使用するガラス器具なので、耐久性と安全を考えたら使用できないため理振シールをはがしました。
◇結果
理振台帳と現有する器具たちをつき合わせ、理振シールも新しく事務室に作成していただいたので貼り直しました。
また、理振台帳も事務室に協力していただき、ある程度整理することができました。
こまめに器具の管理や耐用年数なども考慮しながら更新していけたら理想だなあと思いますが、なかなか難しい現状です。(だから不一致が生じて問題になるのですが・・・)
事務室の多大な協力(古い帳簿の確認や、廃棄申請書など諸手続き)がなければ整理できなかったので本当に感謝しています。
◇理振シールの変遷(適当ですが・・・)
昭和30年頃は紙シールだったようです。一番下の段はNOなんですね。
昭和40年頃は黄色のシール 紙から進化して保護シールに。
昭和50年頃 銀色の保護シール。
平成になると、一番下の段が変わってNOから器具の名前になっています。
◇レア理振シール?
青色の理振シールです。
以前にこのシールの意味を教えてもらったのですが忘れてしまいました。
約1年ほどかけて隙間時間にコツコツと、無理ない範囲で行いました。
昭和30年代のものでも現役の器具もあるので、確かめながら整理できたのはいい経験になりました。