少し前のことですが、大学教授を講師に招いて講話と、霧箱による放射線の観察をしました。
まずは放射線に関する基礎知識。
高校では化学基礎と物理で学習しますが、今回は原子と原子核の構成、放射線にはα線、β線、γ線があること、また、透過力や半減期についてわかりやすい講義を受けました。
部屋を暗幕で暗くして、懐中電灯で照らすと一気に歓声が上がりました。
<霧箱>
発砲スチロール(ドライアイスの受用)
板状ドライアイス(10~15cm正方形)
容器
スポンジテープ
トリチウムを含む線源
懐中電灯
手袋(ドライアイスを取り扱う時用)
など
厳密に言うと、放射線を見ているわけではなく「放射線の飛跡」という放射線が通った跡を見ているそうです。飛行機雲と同じような感じとのことでした。
容器の中は、上方に常温に接した空気、下方にドライアイスで冷却されたエタノールの蒸気が満たされています。放射線が空気中の原子をイオンにすると、そこにエタノールの蒸気が集まって観察できるということでした。
ということで、線源は上蓋につけ、観察は下方でしやすいそうです。ほかにも、黒地であったり、線源をエタノールで濡らさないなどポイントはあるようです。
飛跡の長さや発生の間隔にポイントを絞って観察・確認しました。
最後に、各自で放射線測定器「はかるくん」でいろいろな場所の測定を行いました。
1台10万円ほど?なので、学校では台数を用意できません。
貴重な体験でした。
※ドライアイスは、「大陸」で購入するといいです、と今回アドバイスを受けました。
以前授業でもっと小規模に行ったときは、近隣で取り扱っている業者があったので助かりましたが、ドライアイスは少々高価で、保管が難しいため、一気に実験スケジュールを組みました。細かいドライアイスではなかなかうまくいかないので、板状のモノを購入しました。(新聞紙に包み、発砲スチロールの箱に入れてマイナス60度の冷凍庫内で2~3日は確認できました。)
※数年前に実施した実験写真です。
シャーレを利用し、受けに紙皿を使いました。今見ると、線源(当時の記憶が・・・何の線源か曖昧です)は下に・・・それでもなんとか見えた記憶があります。
いろいろ自作で作った霧箱のサイトがありますので、検索してみてください。