体細胞分裂の観察実験は、シッフ試薬を使用したフォイルゲン染色で行っています。
中学校でも勉強する分野で、酢酸カーミンや酢酸オルセインでの染色が定番のようです。
本校では分裂している染色体がスッキリ綺麗に観察できるシッフ試薬で染色していますが、調整する手間がネックです。
<シッフ試薬の調整>
※古い資料を参考に作っています。(前任助手さんのメモ参考に・・・)
①沸騰させた200mL純水に、1g塩基性フクシンを少しずつ加えて撹拌します。
※一気に加えると突沸して飛び散ります。
②50℃まで冷却してろ過して、1mol/L塩酸20mL加えて約25℃(試薬調整したときの気温)の常温まで冷却します。
③その後、メタ重亜硫酸カリウム約4gを加えてよく振りまぜます(1~2分シェイクします)
※遮光を考えて、アルミホイルで瓶を包んで冷蔵庫へ入れます。
④一晩おいてから、活性炭を1gほど加えて振りまぜ、ろ過します。
ここで、無色透明になっていたら完成なのですが、、、ピンク色が残ってしまいました。
⑤もう一度、メタ重亜硫酸カリウムを1gほど加えてから④の作業を、無色透明になるまで繰り返します。
<メモ>
※褐色瓶だと、液の色の変化が確認できません。アルミホイルで包んでおけば、いつでも確認できます。
※アルミホイルで包み、必要な量を小さい小瓶に移しながら使用していけば、冷蔵庫で1~3年(3年はおすすめしません)ほど使用できます。
※手や白衣に付くと、ピンク色に染まります。手袋してください。
※シッフ試薬で染色した体細胞分裂の様子(15×40倍)
分裂期の染色体がキレイに見えます。
生徒にも、中学校の時よりはっきり見える!と好評でした。中学校でも観察している生徒もいるので、高校で実施するのは賛否両論あり、手間のかかる試薬でよりよい観察状況を提供できたらと自己満足の世界です。
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