血液凝固の実験をしました。
研究・理科教育のためにいろいろ販売している食肉卸売市場よりブタの血液1Lを購入しました。
生徒の中には血が苦手(主に男子が多い)な人もいるので慎重に説明し、手袋をして実験しています。
あ、苦手な方は注意してください
血液画像あります
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ブタの血液 1L
凝固しないようにクエン酸ナトリウムで処理されています。
冷蔵庫で保管、ラップまたはパラフィルムで密閉しておくと1週間ほどは使用できました。
6本の試験管に取り分けて、いろいろな条件で実験していきます。
血液が凝固する条件は勉強済み。どんな要因で凝固するのか、しないのか理解していないと難しいです。
A 血液+純水+約40℃に3分
B 血液+CaCl2+約40℃に3分 (※0.025mol/LCaCl2数滴)
C 血液+CaCl2+氷水に3分
D 血液+CaCl2+約40℃に3分+ガラス棒で撹拌(円を描くように)
E 血液+NaCl+約40℃に3分 (※0.9%NaCl数滴)
F 温めた血液+CaCl2+約40℃に3分
A 血液に純水だけでは凝固しません。
B カルシウムイオンが入るときれいに凝固します。
C~F わずかにドロドロ状態だったりしますがほぼ液体です。
温度が適正でないと凝固しません。熱過ぎても冷えすぎてもダメ。
また、ガラス棒で円を描くように撹拌し「フィブリン」という血液を固める因子を絡めとってしまえば血液は凝固しません。
フィブリン?かな?
水道で洗ってみると、線維状のフィブリンが現れました。
※おまけメモ※
〇実験の説明次第で、生徒に考えさせ理解してもらうと実験がスムーズにいくんだなあと改めて思いました。
実験は手際よくできるだけタイミングを合わせて行うことが大切です。
〇ガラス棒で撹拌する時は、ガシャガシャと直線的ではなく試験管の内壁に沿ってグルグルと絡めとるようにするといい感じにフィブリンが取れました。
〇カルシウムイオンを入れる前に加熱しておく血液ですが、温度が高すぎると試薬を入れるまえにレバーのように固まってしまうし、加温する時間が短すぎるとフィブリンが変性しないのでカルシウムイオンで固まってしまい予想通りの結果が得られません。
〇古い遠心分離機で分離させましたが、今回は使用しませんでした。
もう少し時間があれば、条件を増やしても良かったかもしれません。
ただ、ビーカーに入れておくだけでも分離が確認できました。
〇ルミノール反応も見せました。
〇血液に酸素、二酸化炭素を通じてみました。血液凝固の様子も動画に。