顕微鏡でいろいろな細胞を観察します。
高校では、ミクロメーターという目盛が付いたレンズを物指し代わりに細胞の長さをはかります。
ミクロメーターは、接眼ミクロメーターと対物ミクロメーターがあります。
接眼ミクロメーター
丸いレンズに等間隔に目盛が付いています。指紋が付かないように、縁を持ちます。
接眼レンズ内にセットします。
接眼レンズを顕微鏡にはめ、電球をつけると目盛と数字(0~100)が見えます。数字が鏡文字のようになっていたら入れ直します。
接眼ミクロメーターは、接眼レンズに入っているのでいつも同じ状態の目盛が見えます。
対物ミクロメーター
スライドガラスの中央に目盛がついた感じです。1目盛が10μm(0.01mm)と決まっています。
丸い枠の中にうっすら肉眼でも目盛が見えます。顕微鏡のステージに表を上にしてセットします。
接眼ミクロメーターの1目盛を計算して決定する。
低倍率(15×10)のとき。
目盛を囲む枠を発見したら、近くに対物ミクロメーターの目盛が見えます。
二つの目盛を近づけます。
目盛が一致するところを見つけます。
今回は、接眼ミクロメーターと対物ミクロメーターの目盛が一致しました。
15×10倍率の時、接眼ミクロメーターの1目盛は10μmとわかります。
次に倍率を上げます。
高倍率(15×40倍)のとき
対物ミクロメーターの太い目盛が見えます。
接眼ミクロメーターと対物ミクロメーターの目盛を合わせます。
接眼ミクロメーターの20と40の目盛に注目します。
1目盛の大きさ(長さ)をαとすると、、、
20から40目盛なので、
20目盛×α μm
次に対物ミクロメーターに注目。1目盛が10μmと決まっています。
接眼ミクロメーターの20から40目盛の間にある、対物ミクロメーターの目盛の数は5目盛です。
5目盛×10μm
ということで、この二つの長さが等しいので、
20目盛×αμm = 5目盛×10μm
あとは計算していくと、高倍率(600倍)の時の接眼ミクロメーター1目盛は2.5μmと計算できました。
公式もあります。
接眼ミクロメーターの1目盛の長さ=対物ミクロメーターの目盛数×10μm/接眼ミクロメーターの目盛数
しかし、原理を理解していれば、公式を暗記する必要はありません。
どうしてこんな計算をするのか。
顕微鏡、1台1台でわずかにズレが生じるためです。
約40台の顕微鏡がありますが、だいたい150倍では1目盛は10~12μmくらいです。
接眼ミクロメーターの1目盛の大きさは150倍率の時は10μmでした。
しかし、600倍率の時の1目盛の大きさは不明なので、目盛数を数えて計算しましたが、倍率が150から600と4倍になっている点に注目すれば1目盛の長さとの関係性がわかります。
ボルボックスの計測
対物ミクロメーターをはずして、ボルボックスのスライドガラスセットし150倍で観察します。
接眼ミクロメーターの目盛数を数えます。
小さい方は、直径19目盛ほど?
ということで、19×10μm=190μmです。
倍率をあげて600倍
クルクル回って動くので、うまく目盛のところで写真がとれませんでしたが、75目盛でした。
76×2.5μm=190μm
ただ、生徒は悪戦苦闘です。
接眼ミクロメーターと対物ミクロメーター、接眼レンズ、対物レンズと名称がごっちゃになり。
μmという普段は使用しない単位に慣れず。
顕微鏡のピント合わせ、目盛の発見、目盛数の数え間違い、計算などなど。
オオカナダモの細胞と葉緑体の計測と、原形質流動の速さの計測を含めて50分。
説明、片付け、顕微鏡のレンズのセット。
きちんと手際良くできる生徒は1/3ほどです。
難しい~~