今月は、実験ラッシュでした
先日『硫酸の性質実験』をしました。
濃硫酸は少し要注意な薬品です。
不揮発性という性質は特徴的。
揮発しにくいという性質は、今注目の事件に使用されたVXガスと同じです。
蒸発しないのでいつまでも成分が残ります。
さらに硫酸は脱水作用という性質もあるため、雑巾や白衣や服などに付いたまま気づかずにいると、穴があいてしまいます
市販されている濃硫酸は(95%、18mol/L、密度1.83g/cm3)と記載されていたりいなかったりします。
水で濃度を薄めて希硫酸にする場合も要注意です
必ず、水に濃硫酸を加えるという手順です。その時に発熱反応があります。
ビーカーで大量に希硫酸を作るときは水槽に氷水を用意して作っています。
少量で試してみます。
2mol/Lの希硫酸を作るとき。
単純計算でざっくりな場合、濃硫酸は18mol/Lなので、、、
水を約8mL用意して濃硫酸1mL加えます。
水の温度に注目すると最初15度ほどですが、濃硫酸を約1mL加えると一気に50度超えます。
逆の場合は危険な為試したことがありません。文献では突沸が起きて噴き出し危険というような記述があります。
希硫酸で絵を描いてみます。(本来はガラス棒で行います温度計は使いません❗)テーブルに硫酸がつかないように下敷きしています。
ガスバーナーで炙ります。紙が燃えないように三脚金網を利用しています。
あっという間に希硫酸で描いたところが黒くなります。
紙のセルロースの成分は水を多く含んでいるので、脱水作用で炭化されたためと思われます。
脱水作用を確認する実験をもう1つ。
蒸発皿に角砂糖を2つほど。水を3~5滴ほど。
角砂糖に濃硫酸を2mLほどかけて、しばらく観察していると、、、
あっという間にモクモクと煙を上げて真っ黒に。強烈な匂いも体験できます
教室で演示実験の時は100mLビーカーで少しだけ大袈裟に。
角砂糖も7~8個
水を少しと、濃硫酸を約10mLと多目にかけて、
しばらくすると、、、モクモク煙を上げてすごい匂いとともに反応します。
ビーカーから出してみました
濃硫酸は脱水作用があるので、C6H12O6糖からH、OつまりH2O水分子を奪って、残るものはC炭素ということです。炭素、、、炭(すみ)ですね
失敗??
どうしてか、、、角砂糖が膨らまずそのまま。何度か試してみて気がつきました。
温度が関係しているようです。冬なので冷えています。
手のひらで蒸発皿を持って温めたり、実験直前まで蒸発皿を温めておくと反応が早く進んでインパクトある実験になります。
他のサイトでは煙対策でビーカーを被せていたりしていました