なんとなく実験しています

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日々のアウトプット、メモ帖、備忘録として

※正解は一つではないです。選択肢の一つとして参考にしていただければと。

中和滴定の実験準備について

食酢の中和滴定実験は、高校の化学でも定番中の定番の実験です。

担当の先生によってその実験方法は異なります

プリントを作る、作らない
実験にかける時間、1時間、2時間、3時間

実習助手として、全てのクラスで同じ感じで実施していただけると、手間もかからず、助かるのですが、、、

三者三様、十人十色です

実験方法などは、どれが正解というものはなく、どこの操作に重きを置いているかは人それぞれなので、私はひたすら各先生方が実験を指導しやすいように、サポートすることに徹してます。

ということで、、、
今までの実験準備方法を参考までに?

3時間かけて実験。
通しではないです。
中和滴定の実験が好きで、この実験を重要視しているとき。
最初の1時間は器具の操作の練習など。
2時間目がシュウ酸と水酸化ナトリウムの滴定。3時間目が食酢と水酸化ナトリウムの滴定で食酢の濃度を求めます。
これは、理想的。
3時間目のときは、すでに操作は慣れたものなので、僅か20分ほどで実験を終えて濃度計算も教科書やノートを見ながら解いてます。

2時間かけた実験
授業の時間割りを変更して2時間連続にしたり、、、という話も聞いたことがありますが、私は一週間の内にその時間割りでの実施でした。(火曜と木曜など)

最初の1時間は、シュウ酸と水酸化ナトリウムの滴定
2時間めに、食酢と水酸化ナトリウムの滴定。
この場合も、余裕がありますが、、、計算まではキツイです。

1時間しか時間がないとき
実験前の授業で演示です。教室でシュウ酸と水酸化ナトリウムの滴定手順など実演して見せて説明します。
そして、実験では食酢と水酸化ナトリウムの滴定をするのですが、1時間しかないので準備に工夫が必要です。

例えば、、、

食酢の準備ですが、、、
実験時間が2時間以上確保できるときは、蓋付のビンに30mLほどいれて用意しておきます。

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実験時間が1時間の時は、予め事前にこちらでメスフラスコにホールピペットで10mLはかりとっておいて、パラフィルムで蓋をしておきます。そうすれば、共洗いの回数も1回減り、時間の短縮になります。

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または、食酢は原液から実験に入るので、ビュレットの準備を事前にしておく、、、ということもありました。
水酸化ナトリウム水溶液を、ビュレットにいれて空気を抜いておきます。

人によって、どの操作に重点をおいているかで、準備の仕方も変わるので、その都度確認しながら準備してます。

去年はこうだったけど、
今年は生徒の様子も違うし、やらせてみよう、やめよう。

去年はこうだったけど、
今年は試験までに祝日や行事の関係で時間が取れないから、時間を少なくしよう。
時間が余ってるから、たくさんしよう。

などなど、コミュニケーションが大切です。


その他準備について
当たり前ですが、さまざまな学校の情況や助手さんによって異なります。

ホールピペット
丁寧に、1本1本薬包紙で口をつけるところを巻いています。

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私はとても真似できない(350本分もめんどくさくて、、、)ので、ピペット洗浄器で洗って消毒液に浸して自然乾燥です。気になる人にはウェットティッシュを用意してます。

コニカルビーカー
1つ1つ、アルミホイルで包んでいます。

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私は真似できないので、逆さにしてます。

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水酸化ナトリウムの調整
約0.100mol/Lに調整しておくのですが、これがとても難しい。
学年で8クラスあると、必要な量はかなりのもの。
二人一組だと、50mL×21班で、少し多めに9Lほど、、、

水酸化ナトリウムを理論上は、4g×9で36g用意し9Lまで純水を加えるのですが、、、9Lのメスフラスコなんてないし、潮解性もあるので、困ります。
私の場合は、少し水酸化ナトリウムを多目に38gを純水で1Lメスフラスコにまず用意します。そのあと10Lのポリタンクに入れて、使用した1Lメスフラスコに純水だけ入れてポリタンクに。という操作を繰り返します。

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そうすると、だいたい濃度は0.101~0.110mol/Lの範囲で9L用意できます。
0.098mol/Lになってしまうと、計算が面倒になってしまうので、ホンの少しの加減が難しいのです。
また、都度都度に調整しなくていいので、ラクです。ただ、潮解性があり濃度変化してしまうので、何週間も使用する場合はこまめにシュウ酸で滴定して濃度決定します。

各班に配布のときも、以前は直前にポリタンクからビーカーに入れて配っていましたが、現在は250mlの容器に入れておいてビーカーにうつしてからビュレットに入れてもらってます。

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などなど。
腕の見せどころですが、なるべく手間をかけずに正確に、安全に実験ができるように心がけています。