センター試験化学基礎では、いくつか授業で実施した実験(演示実験含む)が出題されました。
アンモニアの噴水実験、中和滴定実験、塩酸と炭酸カルシウムの量的関係実験です。
問題を解いてみたときにニンマリしましたが、、、みんな解くことができたのかなぁと不安にもなりました
その中の一つ、滴定実験で使用する器具に関する問題です。
ある物質の水溶液をホールピペットではかりとり、メスフラスコに移して定められた濃度に純水で希釈したい。
ホールピペットの図で正しいものを選べ。
という問題。実物を写真でどうぞ。
1は、駒込ピペット
2は、ビュレット
3は、メスシリンダー
4は、ホールピペット
5は、メスフラスコ
ということで、正解は4です
続いて・・・
操作A ホールピペットは、洗浄後、内部を純水ですすぎそのまま用いる。
操作B ホールピペットは、洗浄後、内部をはかりとる水溶液ですすぎそのまま用いる。
どちらの操作が正しいのか、という問題。
ホールピペットは濃度が正確な水溶液を、10mLなど正確な体積はかりとる時に使用します。
下の写真のように洗って水で濡れているホールピペットをそのまま使用したり、純水でそそぐとどうなってしまうか。
濃度(溶質の量)がきっちり決まっているのに、濃度が低下(薄まって)しまいます。
ということで、これからはかりとる水溶液で内部をすすいでおけば、濃度が変化することはありません。
『共洗い』という操作に関する問題です。
正解は操作Bになります。
定期試験や模試でもかなり頻繁に出題されています。
操作C 純水は、液面の上端がメスフラスコの標線に達するまで加える。
操作D 純水は、液面の底面がメスフラスコの標線に達するまで加える。
どちらの操作が正しいか、という問題。
メスフラスコは定められた濃度に希釈する時に使用します。
メスフラスコの標線はこんな感じ
まずは目線を標線の高さに合わせると、一本の線になります。
この標線まで液体を入れるのですが、液面は湾曲しています。
正解は操作Dです。
教科書などには、『液面の底面を標線に合わせる』とだけ記されています。
また、メスフラスコだけでなくホールピペットで標線に合わせるとき、ビュレットやメスシリンダーの目盛を読むときにも液面の底に合わせます。
化学基礎では原理や理由は問われません(見たことがないです)が、表面張力(と重力)が関係しているからです。
中和滴定や酸化還元滴定の実験を行っていて、器具や『共洗い』『標線』などの説明もしているので楽勝に解けるラッキーな問題のハズ
しかし、、、
他の器具と勘違いしてしまった、うろ覚えの為に悩んでしまったという声もあってガックリ
まあ、、、日常生活では使用することはないですが、どれも定期試験などに多く出題されているので、ボーナス問題になるハズ。
大学の実験では基礎中の基礎のところになります。受験生はしっかり押さえて欲しい