少し前になりますが、1月の終わりにバフンウニの発生実験をしました。
バフンウニは、きちんと申請手続きをして採取した(無断採取は密漁となりますので注意)ものを少しだけ分けていただき、生物担当の助手さんにご教授いただきました。
海水にエサのワカメを少し。
実験前に受精してしまうと困るので、雄と雌に分けて水槽に入れておきますが、見分けが難しいです。
管足が白いと雄、少し橙色をしていると雌です
「アリストテレスの提灯」という口にある歯?をピンセットで取り除き、KCl水溶液を約1mLほど注ぐと、放精(雄)、排卵(雌)します。
矢印の流れ出るオレンジ色が卵です。
白いところが精子です。
卵を観察し、精子を横から加えると受精して受精膜が上がります。
実験時の温度など条件によって変わりますが、今年は寒かったので分裂まで時間がかかりました
2細胞期~4細胞期(数時間後)
胞胚期~原腸胚(数日後)
拡大してみます。
プルテウス幼生4腕期(さらに数日後)
拡大してみます。
この4腕期までは何とか観察できるのですが、ここからエサや飼育条件が難しく生体になったウニを見たことがありません。
また、側面と極面というように、角度でかなり見え方が変わります。
ざっくり言うと、人を正面から、背後、横から見るとまるで違って見えるという感じです。
今回、受精をさせていくつかのシャーレやビーカーなどに入れて発生の観察しました。しかし、発生がうまくいって観察ができたのは一つのシャーレだけ。
卵にかけた精子が多すぎたかな?
天然の?海水のままだと他の生物に食べられてしまうのかな?
と、原因は特定できませんが、発生を観察するためにはいくつか注意が必要のようです。
とりあえず、今年も何とか観察できてホッとしています