毎年行っていますが、陽イオンの選択は担当によって異なります。
今年のミッションは「Ag + Pb 2+ Al 3+ Zn 2+ Ca 2+ Ba 2+」の6種類の陽イオンのうち、4種類が含まれるので、同定せよ。というもの。
全部無色です・・・
硝酸塩の未知試料
①2mLほど試験管にとります。
②塩酸を加えます。少し多めに4~5mLほど。
③白色沈殿ができました。ろ過します。
塩酸を加えて沈殿ができるということは、塩化銀か、塩化鉛(Ⅱ)
④受けのビーカーを新たにして熱湯を加えます。まだ、沈殿が残っています。
塩化銀と予想して、感光か、アンモニア水に溶かして確認しました。
⑤確認のため、ろ液にクロム酸カリウム水溶液を数滴。
クロム酸鉛(Ⅱ)の黄色沈殿ができました。
ここまでに、未知試料4種類のうち、Ag +銀イオン、Pb 2+鉛イオンが確定。
残るは2種類です。
⑥③のろ液を試験管に。
⑦3本の試験管に、それぞれ水酸化ナトリウム、アンモニア水、硫酸を加えてみます。
沈殿が、、
残る4種類の陽イオンを考えます。
Al 3+ Zn 2+ Ca 2+ Ba 2+
水酸化ナトリウムを過剰に加えて沈殿するのは、Ca 2+(カルシムイオン)
アンモニアを過剰に加えて沈殿するのは、Al 3+ (アルミニウムイオン)
ということで、残る2種類はAl 3+ Ca 2+ かな。
消去法ですね。
ただ、不思議な反応は硫酸を加えて沈殿するハズのCa 2+ Ba 2+ なんですが、、、
うっすら白く沈殿かな?という程度(写真ではわかりにくいですが・・・)
そこで、ろ液を新たな試験管に用意して、炭酸アンモニウムを加えてみました。
白く沈殿。ろ過して沈殿したものを白金線を使って炎色反応で確かめて、橙色っぽいのでCa 2+
※20分ほどでAg + Pb 2+ Al 3+ Ca 2+ と同定できました。
高校生の実験では簡単かな?と思ったのですが、皆、思ったより苦戦していました。
理由はいくつかあります。
ろ過の失敗。沈殿とろ液の分離が漏斗を使う作業を雑に行ってしまった。
さらに、塩酸を加えて沈殿させた後、硫化水素で沈殿させるという手順が系統分離の実験では書かれているので、何も考えずに硫化アンモニウムを加えてしまったところ、手順が増えたり、予想外の沈殿ができてしまったり。
また、無色、白色沈殿が続くので、どれがどの段階のものか、わけがわからなくなってしまった。
などなど。
作戦を立てて、簡単な手順を考えてチームワークが良い班は実験成功させていました。
過去の系統分離実験