なんとなく実験しています

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日々のアウトプット、メモ帖、備忘録として

※正解は一つではないです。選択肢の一つとして参考にしていただければと。

セライトろ過で金属イオンの系統分離実験

少し前になりますが
 
セライトろ過の操作を使って、金属イオンの系統分離実験をしました。
 
数種類の金属イオンが含まれる水溶液から、それぞれの金属イオンを分離していくというもの。
 
今までも、何回かblogで紹介してきました。
 
数種類の金属イオンのチョイスもいろいろ。
分離の仕方もいろいろ。
実験の仕方も、複数の金属イオンを最初に提示しておいたり、、複数ある中から同定していくなどいろいろ。
 
環境に合わせて対応するので、毎回ドキドキです
 
今回は、「銀イオン、鉛イオン、鉄イオン、カルシウムイオン」の4種類を含む水溶液からの分離です。
試薬は、余っていたもの
 
0.1mol/L AgNO3 
0.25mol/L Pb(NO32 
0.25mol/L Fe(NO33 
0.5mol/L Ca(NO32 
 
2mol/L HCl
2mol/L NH3
6mol/L H2SO4
 
 
1.マイクロプレート(6穴)の1つに、4種類の金属イオンが含まれる水溶液を2mL入れます。
イメージ 1
 
2.そこに塩酸を入れて、沈殿させます。マイクロプレートを軽く揺すって反応させます。
  白色沈殿はAgClか、PbCl2です。
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3.沈殿した溶液をスポイトで吸って、注射器の筒に溶液を入れてセライトろ過します。
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4.隣のセルにろ液を入れます。
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5.注射器の筒に残った白色沈殿は、AgClか、PbCl2なので、熱湯を入れて分離します。
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熱湯に溶けないでセライト上に残るのは、AgCl
熱湯に溶けてセル内に流れ出るのはPbイオンです。
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6.硫酸を加えて確認します。PbSO4の白色沈殿が確認されました。
 
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7.セライト上に残ったAgClの白色沈殿を取り出して窓際へ。感光性で白色から黒色になるハズ
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写真↓少しわかりにくいですが、、、セライト上に灰色に変色してきています。
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8.4のろ液にアンモニアaqを加えてみます。
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過剰に加えてみると、、、Fe(OH)3赤褐色沈殿ができました。
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9.スポイトで溶液を吸ってセライトろ過します。ろ液は別のセルに。
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10.注射器の筒内のセライト上にはFe(OH)3赤褐色沈殿が残り、ろ液は無色透明なので、分離は成功かな?
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11.ろ液はCaイオンかと予想されるので、硫酸を加えていきます。
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CaSO4の白色沈殿が確認されました。少し反応に時間もかかります。Ca(NO32 の濃度を高くして正解でした。
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セライト上にFe(OH)3赤褐色沈殿が確認
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ふと、Pbの確認はアンモニアaqでも水酸化ナトリウムaqでもPb(OH)2白色沈殿ができるのでいいのかなあと思ったのですが、銀イオンが残っているとマズイ(笑)し、濃度もあるのかな?と。
あとは、Caの確認も、炭酸アンモニウムaq、水酸化ナトリウムaqでもいいのかなと思いましたが、鉄イオンが残っているとマズイ(笑)し、、、
試薬の準備も考えると、数少なくていいのは助かります
と、いろいろ考えると、生徒実験には硫酸を使うことがベストなのかな
 
 
高校生の系統分離実験なのでかなり大雑把なものですが、短時間で実験を行い生徒は教科書や図説の沈殿反応をフル活用しながら考えています。
ということで、コチラも準備は慎重に事前実験も行い、いつもより気を使います。。。