なんとなく実験しています

なんとなく実験しています

日々のアウトプット、メモ帖、備忘録として

※正解は一つではないです。選択肢の一つとして参考にしていただければと。

硫化アンモニウム 無色と黄色

硫化アンモニウム(NH42S

 

取り扱いにくい硫化水素の代わりとして、高校で行う無機の定性実験に使用しています。

 今までは、、、勉強不足だったため、薬品庫に入っていた黄色の硫化アンモニウムしか知りませんでした。

しかし、数年前、無色の硫化アンモニウムが販売されていると知って注文してみました。

 違いは何だろうと、ググってみたら「工業規格JIS」のデータ発見(↓抜粋・引用)

どちらも塩基性の水溶液なのですが、、、

 

無色の硫化アンモニウム・・・アンモニア水に硫化水素を通じた液

黄色の硫化アンモニウム・・・無色の硫化アンモニウムに硫黄を溶かした液

 

ということで違いがあるそうです。

 

目薬点眼瓶に、用意してみました。(普段は褐色瓶で鍵付き薬品冷蔵庫に保管)

f:id:canacana44:20200524214722j:plain

 

無色の硝酸亜鉛aqと、青色の硝酸銅aqを用意しました。。

f:id:canacana44:20200524215122j:plain

 

酸性条件で実験したいので、希塩酸を加えてあります。

そして、硫化アンモニウム黄色無色をそれぞれに滴下

f:id:canacana44:20200524215152j:plain

 

振りまぜてみました。

違いが!

f:id:canacana44:20200524215202j:plain

 

 

金属イオンと、硫化物イオンを反応させた場合の性質を無機分野で勉強します。

 

◇Zn(亜鉛)イオンとS(硫化物)イオンが反応すると・・・

 酸性の状態では、沈殿しない

 塩基性の状態では、白色沈殿ZnSが生じます。

 

◇Cu(銅)イオンとS(硫化物)イオンが反応すると・・・

 酸性、塩基性どちらでも黒色沈殿CuSが生じます。

 

ということは・・・

教科書や図説の写真に近いものは、やはり無色の硫化アンモニウムを使用したときの反応です。

 

酸性の条件下で白色沈殿が生じてしまった黄色の硫化アンモニウムは、困ってしまいます。

黄色の硫化アンモニウムを使用する時は薄めて使用するか、塩酸をもっと加えて酸性にしておく等すると、硫化水素の代用として思ったような反応に近づきます。

 

休校中、動画配信のための撮影をして困ったことは、教科書や図説の大量の動画資料からイメージ通りのものを探し、さらにネット上にアップすることで伴う著作権関連の手続きを考えることでした。

それならば、自分たちでサクッと動画を撮影してしまった方が早いのですが、満足いく画は難しかったです。

キチンとした撮影場所と機材、いろんな角度からの撮影。プロが作ったものはすごいなあと今更ですが思いました。

 

非常事態宣言が解除されましたが、少しでも前向きに寛容な方向に歩いていきたいです。

 

※注意

無色の硫化アンモニウム溶液ですが、硫化水素を通じている液ですので、すぐに抜けてしまって濃度が低くなるようです。そうなるとアンモニアの性質が強く出て、亜鉛と反応して白い沈殿ができてしまうようです。数年持たないようです。品質を保持するのは難しい・・・(2021.6)