なんとなく実験しています

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日々のアウトプット、メモ帖、備忘録として

※正解は一つではないです。選択肢の一つとして参考にしていただければと。

有機化学の実験 エステル化

カルボン酸とアルコールからエステルを生成する実験です(*^^*)

ザックリ説明すると、、、

カルボン酸は、酢酸、ギ酸などのように分子中に-COOH(カルボキシ基)を持ち、
アルコールには、エタノールメタノールなどがあり、-OH(ヒドロキシ基)を持っている化合物です。
この二つを縮合すると、-COO(エステル結合)を持ち、水に溶けにくく、芳香を持つ化合物ができます。
ただし、実験では触媒として濃硫酸を加えます(*^^*)

R-COOH+R'-OH→R-COO-R'+H2O

ということで、実験も本当にザックリ指示しました。

「カルボン酸R-COOH」
酢酸
ギ酸
プロピオン酸
酪酸

「アルコールR'-OH」
エタノール
メタノール
ペンタノール
オクタノール

を用意したので、

カルボン酸R-COOH(2ml)+アルコールR-OH(2ml)+濃硫酸(1ml)
で、各自、好きな匂いを作りなさい( 〃▽〃)
その後、水を静かに加えて分離してるようすを確認すること。

ただし、酢酸エチルは必ず作ること!(*^^*)

酢酸エチルとは定番のエステルで、酢酸+エタノールから生成します。酢酸は知っての通り酢なので酸っぱい匂いがしますが、エタノールと反応させて酢酸エチルになると教科書や図説には果実の香りとなっています(^^;が、実際は接着剤のような香りという評価が多かったです。

そうして、生徒たちは図説を参考にして、パイナップルやりんご、桃の匂いを求めてチャレンジしていきます( 〃▽〃)

酪酸メチル(酪酸+メタノール)→パイナップル
ギ酸エチル(ギ酸+エタノール)→桃
酢酸ペンチル(酢酸+ペンタノール)→バナナ
酢酸オクチル(酢酸+オクタノール)→オレンジ

などですが、その他文献やネットでは果実の香りという点は同じですが、その果物は微妙に異なります(^^;

実験で生徒に意外に人気???だったのが、酪酸からのエステル。
酪酸は、その名前からもわかるように酪農のようなやチーズのような匂いで、、、とにかく、ダイナマイト級、ヘビー級の臭さ!!Σ( ̄□ ̄;)からの、、、果実の香りは魅力的なのか??

酪酸は、揮発性があまりないためか?服やらに匂いが染み込み、いつまでもくさい!!
ということで、ドラフトチャンバーという排気がバッチリなところで使用します。普段もケースにいれて薬品庫に保管しています。

イメージ 1

酪酸メチルを作ってみます!
酪酸2ml+メタノール2ml+濃硫酸1ml
で、沸騰石を2.3粒入れて直火!加熱。

本来は、温水で間接加熱し、還流用のガラス管をつけてゆっくり生成するのですが、時間がないため、強硬突破。

イメージ 2


突沸に注意させて、人のいない方に試験管の口を向けさせています。

イメージ 3


しばらくして匂いを確認すると、、、臭い匂いから林檎のような?果実のような?香りが漂ってきます。

しかし!やはり分量も適当だし、加熱時間などもも生徒にお任せなので、中には果実と牛糞が入り交じった複雑なのけぞるような香りができてしまった生徒も!(TT)まあ、そうそう簡単に良い香りなんてできる訳がないですが( ̄▽ ̄;)

また、恐ろしいのはギ酸を使った実験!
桃の香りを求めて、ギ酸エチルを作ろうとした生徒たち。ギ酸、エタノールを試験管に入れて、濃硫酸を加えると、、、いきなり突沸!!(゜ロ゜)ギ酸メチルは沸点32度、ギ酸エチルは54度だからかな?

濃硫酸を加える時は、様子を見ながら静かに試験管の壁面を伝わらせて加えるように指示します。

さらに怖いのは、全て(カルボン酸、アルコール、濃硫酸)試験管に入れ終わった後に、アルコールが足りないかな?と、ドバっと加えたりすると、やはり、突沸して試験管を吹き出して大変なことに(゜ロ゜)

なので、試験管に入れる順番を固定し、濃硫酸の所には必ず付いて指導しながら実験します。先生との協力が不可欠です。

無事に終わって???良かった実験です( ̄▽ ̄;)