脂肪族炭化水素のアルカン、アルケン(シクロアルケン)、アルキンの定性実験をしました。
アルカンはメタン、エタン、プロパンなど。身近なところでは燃料の気体がイメージされます。
メタンは酢酸ナトリウムと水酸化ナトリウムを加熱して水上置換で捕集できます。
以前の実験はこの方法でメタンを捕集して実験をしていたようです。
しかし、、、試験管に酢酸ナトリウムと水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)を入れて加熱すると試験管が割れてしまう危険があり、片付けなども厄介です。
そこで、アルカンで液体のヘキサンを使っての実験に変更しました。
アルカンの定性実験
ヘキサン1mL入れた試験管を2本用意します。ヘキサンは無色です。
Br2(臭素水)と、KMnO4+H2SO4(硫酸酸性過マンガン酸カリウム水溶液)を加えてよく振りまぜ変化を観察します。
そして、光に当てます。
臭素水を加えた試験管は、臭素の赤褐色が無色に変化しています。
硫酸酸性過マンガン酸カリウム水溶液を加えた試験管は変化ありません。
と、これだけなので簡単な定性実験なのですが、、、
ここから化学反応式、このハロゲンの臭素水を加え光と反応させて変化する置換反応についての考察はなかなか簡単ではありません。
生徒も四苦八苦しています。
アルカンの性質のポイントは、
・沸点、融点の関係
・水にほとんど溶けない性質
・安定していて、酸や塩基、酸化剤や還元剤にもほとんど反応しない
・燃焼の性質について
・ハロゲン(塩素、臭素など)とは光を当てると反応する置換反応について
この辺を押さえておけばいいのかなぁと思います。
それから、、、
私も実験準備に四苦八苦しましたメタンからヘキサンに変えたので濃度や量についていろいろ試してみました。
まずは硫酸酸性過マンガン酸カリウム水溶液の濃度ですが、今回は2mol/L硫酸と0.025mol/L過マンガン酸カリウムを1:2くらいで混ぜ合わせました。
それから、ヘキサンに反応させる量をお試し。
色に変化はないのですが、水と油のような感じで分離するので、その様子が分かればいいのですが、特にどれでもいいかな(笑)
ヘキサンの方が上層部ですね。
次に臭素水です。
臭素水は市販の薬品を購入して使用しますが、濃度は1/2に薄めました。
入れた直後
臭素水は下層部です。
振りまぜた後
臭素水の臭素がヘキサンに抽出されて上層部が赤褐色です。
光と反応させた後
無色になりましたが、分離している様子がわかります。
これらの結果を踏まえて、担当の先生たちに提示して実験しました。
簡単な定性実験ですが、苦戦しました
アルケン、アルカンは次回です