なんとなく実験しています

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日々のアウトプット、メモ帖、備忘録として

※正解は一つではないです。選択肢の一つとして参考にしていただければと。

コロイド溶液の性質 透析実験

コロイドの状態をイメージすると、牛乳やゼラチン、雲などです。

コロイド粒子の大きさを比較すると、
イオン・分子 < コロイド粒子
分子(1nm以下)などは電子顕微鏡で、コロイド粒子(1nm~100nm)は少し大きい粒子なので限外顕微鏡で観察できます。

が、、、普通の高校にはそんな特殊な顕微鏡はないのでDVDで見せちゃいます(^^;

生徒実験では透析実験だけ行いました❗

まず、コロイド溶液を作ります☆

20~30%の塩化鉄水溶液とビーカー2つに純水100mlほどを用意します!
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純水の1つは常温、1つは沸騰させてる状態で塩化鉄水溶液を2mlほど加えると、、、
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色の違いは歴然です。
沸騰している純水に塩化鉄水溶液を加えた方は、加水分解して赤褐色の水酸化鉄3ができます。

水酸化鉄の作り方などはコチラ↓ 

FeCl3+3H2O→Fe(OH)3+3HCl

この水酸化鉄コロイド溶液をセロハンチューブに入れて、50mlビーカーに約20ml純水を用意し、そこに入れ少し揺すると、、、
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半透膜のセロハンを通じて、H+ Cl- (※Fe3+)のイオンが純水中に!
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セロハンは半透膜なので、イオンなどは通しても、コロイド粒子は通しません。
ということは、セロハン内のFe(OH)3のコロイドは純水中に出ていけずにセロハン内に留まります。

さて、確認です。
本当にビーカーの純水中にH+ Cl- (Fe3+)のイオンが在るのか、、、
メチルオレンジ、硝酸銀aq、ヘキサシアニド鉄2酸カリウムaqを、試験管に取り分けた純水に加えてみます!
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確認できました!

メチルオレンジは、液性が酸性だとこのような赤、橙色です。塩基性だと黄色。

硝酸銀aqは、銀鏡反応での余り( ̄▽ ̄;)を使いました。0.1mol/Lです。
AgNO3+HCl→AgCl+HNO3
で、AgClが白色沈殿します。

と、ここで疑問が、、、
どうしてヘキサシアニド鉄2酸カリウムaqが反応するのか、、、本来は反応しないはず。

ヘキサシアニド鉄2酸カリウムaqは、Fe3イオンに反応して青い沈殿を生じます。
FeCl3+H2O→Fe(OH)3+HClなので、、、

(係数略)


セロハン内にFe(OH)3が残されているはずなのにいったい、どういうことなのか!
例えば煮沸が足りないなど諸条件で、FeCl3が全てFe(OH)3にならずに、僅かに未反応のFe3+がセロハン内に残っていて、それがセロハンの膜を通じて純水中に、、、というところかな?

高校生の実験なので、こういうことがたまにあります。ヘキサシアニド鉄と反応しない班もありました!まあ、半々くらいでしょうか、、、

透析実験と、凝析、チンダル現象など含めて実験はパワーアップしてます。また、ヴィスキングチューブの使い方も掲載したblogはコチラ↓

canacana44.hatenablog.com