センター試験の化学。授業で実施した実験に類似した出題が何問かありました
その中の一つ、無機化学で金属のイオン化傾向と電池に関する問題です。
シャーレに食塩水で湿らせたろ紙を敷き、金属板A~Cを並べ、検流計の二つの端子に異なる金属板に接触させ、電流の向きを記録した。
金属板A~Cは何か。金属板A~Cは選択肢より銅、亜鉛、マグネシウムのいずれか(問題はかなり略してます、、、)
というようなもの。
実施した実験と異なるのは、シャーレに金属板を三種類置いておかない点と、検流計の形と、クリップの種類(バナナクリップ?)。
授業では二種類の金属板をみのむしクリップで挟み、食塩水に触れて検流計で電流の向きを調べましたが、センター試験の問題とほとんど同じ内容です。
検流計は、小学校の四年生くらいで使用して、中学校でも勉強しているハズ(笑)
検流計
電流の向きを調べるもの。弱いわずかな電流でも検出できるようです。
+(赤)と-(黒)の端子があります。
基本は、
+から-に電流が流れるとき針は+方向(右側)にふれます。
-から+に電流が流れるとき針は-方向(左側)にふれます。
みのむしクリップ
クリップになっています。
実験
シャーレにはろ紙に飽和食塩水10mL程度です。
検流計と、みのむしクリップで挟んだ二種類の金属板をつなぎます。
食塩水に二種類の金属板(銅、亜鉛)を一瞬だけ浸けます。
すると、、、検流計の針がふれます。
左側の-方向に触れました。
ということは、検流計を流れた電流の向きは、銅板から亜鉛板ということになります。
検流計の針は右側に触れました。
ということは、亜鉛板からマグネシウムの方向に。
さらに、銅板とマグネシウムを調べると、銅板からマグネシウムの方向に電流の向きが確認できました。
ということで、この三回の実験結果より、金属のイオン化傾向の大きさがわかります。
金属のイオン化傾向とは、金属が水溶液中でイオンになろうとする性質で、イオンになりやすいもの順に並べたものをイオン化列といいます。
K Ca Na Mg Al Zn Fe Ni Sn Pb (H2) Cu Hg Ag Pt Au
覚え方は、
『貸そうかなまあ、あてにすんなひどすぎる借金』
このイオン化列は確実に覚えておかないといけません。
イオン化傾向が大きいものはこの覚え方だとK(カリウム)ですが、教科書にはLi(リチウム)が一番大きい位置にいます。
アルカリ金属はイオン化傾向が大きいです。
そして、Au(金)が一番イオン化傾向が小さい金属です。
金は水溶液になかなか溶けません。王水だけです。
一番のポイントは、イオン化傾向が大きい金属から小さい金属に電子が流れるので、、、電流はその反対方向に流れますという電池のしくみ
電流の向きの実験結果(そしてイオン化列の知識)よりイオン化傾向は、
銅と亜鉛の場合は、亜鉛 > 銅
マグネシウムと亜鉛 Mg > 亜鉛
銅とマグネシウム Mg > 銅
なので、マグネシウム > 亜鉛 > 銅
となります。
センター試験の問題も、これらの知識を総動員して頭の中では1~2分ほど??で答えを導いてマークしていく簡単な問題になります??
このイオン化傾向は化学基礎でも勉強します。一番覚えておいた方がいいとされるところです