先日、有機化学でアルデヒドの定性実験を行いました。
アルコールの酸化
ヨードホルム反応
銀鏡反応
フェーリング反応
毎年実施しているのですが、この中で実験事故に繋がる恐れがあるものは、銀鏡反応の実験です。
雷銀が発生して爆発、負傷者も出てニュースになってしまうほど危険です。
銀鏡反応の実験は、硝酸銀とアンモニアで錯イオンの水溶液を作り、アルデヒドで還元して銀を析出するというもの。
写真のように銀が鏡のように析出して、インパクトあるので学園祭や科学教室などイベントでも行われています。
雷銀発生 その1
イベントでスムーズにいくようにと、事前に硝酸銀水溶液とアンモニアを調整しておいて、、、
と準備万全のつもりが、雷銀が出来てしまいわずかな刺激、衝撃で爆発してビーカーなどが飛び散り悲惨な状態になってしまいます
アンモニア性硝酸銀の状態で置いておくのは止めましょう。
雷銀発生 その2
実験後の片付けなど
銀鏡反応を行ったあと、廃液を集めておきます。ある条件などが不運にも揃うと雷銀が発生してしまい事故が起きてしまいます
私も事例は知っていたのですが、今回初めて雷銀と遭遇してしまいました
実験終了後に、各班ごとの廃液容器をまとめていたところ、パチパチという音がしたと思ったら、飛び散りました白衣には、飛び散った薬品が点々と、、、
原因を考えると、硝酸銀の濃度を少し高めに調整してあったことと、実験終了後に急ぎの仕事を優先させたために、窓際に廃液容器を放置してしまったこと。
数十分ほどでしたが、日光が差し込んでいました。廃液容器は灰色の膜が出来ていて感光したものとばかり思っていたら、危険な雷銀が出来ていたようです。
雷銀は、AgN3とAgNH2が混ざりあったもので、意図せず生成されてしまうものと、ウィキペディアにも記載されていました。
危険を回避するには、廃液容器に水道水やNaClなどを加えて塩化銀として沈殿させてしまっておくといいようです。
また、銀鏡反応の実験を行う際、アンモニアを使用せずに他の試薬(エチレンジアミンなど)を代用することで、雷銀の生成を防ぐことができるようです。(開成中学化学部の研究より)
今回、運が良かったことは、廃液も量が少なく、廃液容器もビーカーなどのガラス製ではなく、樹脂かPPのような素材だったことでしょうか。
本当にビックリしました
試験管の片づけ詳細コチラ