実験の時、水道水は使えません。
なぜなら、水道水には不純物が多く含まれているからです。
高校の実験ではそれほど気にしなくていいと水を甘く見ると、正しい結果が出ず、実験が失敗するなどかなり困ることがあります。
水が原因でつい先日も思ったような反応が出ず大変焦り、水の重要性を再認識したところです。
本校では水道につなげるタイプのイオンカートリッジ純水器を使用して純水を得ているのですが、すでに10年ほど経過しており、イオン交換樹脂が劣化?消耗?されて導電率も大きくなってほぼ水道水になっていたようでした。
ということで、専門業者さんに交換していただきました。
まずは、水を抜いて充填されている古いイオン交換樹脂を取り除きます。
空っぽにしたら、新しい樹脂を入れます。
少しずつ、少しずつ入れます。
古いものも、新しいものも区別がつきませんが、、、、たらこ?とびこ?のような魚の卵みたいに小さい粒です。
みんな同じような粒に見えますが、陽イオンを交換する「カチオン交換樹脂」と陰イオンを交換する「アニオン交換樹脂」が混ざっているということでした。専門の業者さんによると、わずかに色が違い、水を入れると二層に分離するんだとか。
イメージ図
なんとなく説明すると・・・
水道水には消毒のための塩素イオンが含まれているし、台所など水回りが白くなってしまう原因はカルシウムイオンだと言われています。それらを樹脂が取り除き水だけが出てくるという仕組みです。
イオンは電荷があるため、導電率が低いということは電気を通さないので純水だということ。
こまめに導電率はチェックしていないといけないそうです。
イオン交換樹脂の純水製造装置は、小さいものだと持ち運びもでき、水道につなげるだけで簡単にたくさん純水を使用できるので手軽です。ただ難点もあって、水に含まれる不要なイオンは取り除かれますが有機物は含まれたまま。藻が生えてしまったりするので、なるべく毎日使用したり、光が当たらないようにしたりと注意が必要です。
前任校では、蒸留装置で作られた蒸留水でした。
ざっくりいうと電気で沸騰させて水を気化させ、冷却して蒸留水を得ます。電気代がかかるのでもったいないし、蒸留させるので大量に作るのは時間がかかるのでなかなか使えなかったのですが、そうすると結局空気中の不純物を吸収したり純度は下がるようです。
さらに大学や分析機関では、RO水、RO-EDI水、超純水などいろいろな水を使い分けているようです。
純水装置はかなり高額で、定期的に樹脂を交換したりメンテナンスが必要な場合もあるので、あまり実験を行わない場合は純水を購入して使ったほうがいいかもしれません。
環境に応じて装置を選ぶことが大切でしょうか。