前回↓の酸化還元滴定実験の続きです。
そのつづきの結果処理(*^^*)
0.02mol/L過マンガン酸カリウム(酸化剤)と市販のオキシドール中に含まれる濃度不明の過酸化水素(還元剤)の酸化還元滴定です。
過マンガン酸カリウム水溶液の滴定量は、各班でわずかに異なります(笑)が、だいたい約18mlでした。
異なる原因は、共洗いや標線の合わせかた、メスフラスコで希釈した時によく振らなかったなどなど、、、
2KMnO4+5H2O2+3H2SO4→K2SO4+2MnSO4+5O2+8H2O
なので、2mol 過マンガン酸カリウムと、5molの過酸化水素がちょうどよく反応することになります。
そういうと、、、間違えて
2×0.02mol/L×18/1000L=5×ymol/L×10/1000L
とすぐにしてしまう(~_~;)
間違いですよ!
正しくは、(単位省略)
0.02×18/1000: y ×10/1000 = 2:5
で反応する!と考えると、いいかもしれません。
あとは数学の力です。
内項と外項を掛けてから、両辺に1000を掛けると分母の1000が消えて簡単に計算できます。
そうして計算すると、過酸化水素の濃度yは、0.09mol/Lとでます。
センター試験での出題は、希釈してなかったり数字は異なりますが、ここまで求める問題でした。
が、授業の実験では濃度を1/10に希釈している分を計算して、、、
0.09mol/L×10=0.9mol/L
が市販のオキシドール中に含まれる過酸化水素の濃度(*^^*)となります。
更に更に!パーセント濃度を求めていきます。
H2O2のモル質量は34g/mol、密度を1.0g/cm3とします。
そうすると、、、
二通りの求め方ができます。
求め方 (1)
より、
と求められます。0.9mol/Lと、1Lの時に0.9molということがわかっているので、1Lの時と考えることがポイントです!
質量と密度と体積の関係は、中学生の時に勉強したと思います❗
質量g=密度g/cm3×体積cm3
体積が1L=1000cm3ですよね?(笑)
求め方(2)
より、
物質量=物質の質量g/モル質量g/mol
なので、
となり、xを求めていくのですが、1Lとして考えているので、「溶液の体積」1Lで最後に割る分は省略しています。
どちらか、理解しやすい方で計算してくださいね!
と、以上の計算より、市販のオキシドール中に含まれる過酸化水素の濃度がわかります。
濃度は3.06%ということになり、ボトルに表示されている2.5~3.5%の範囲内!なので実験は成功した(*^^*)ということになります。
みんな、計算にかなり四苦八苦していましたが、センター試験では、こんな問題は3分くらいでパパっと解かないといけないんでしょうね!(T▽T)
ここまでが、実験結果からモル濃度を求め、さらに質量パーセント濃度に変換するという計算過程。
一番重要なのは『考察』
各自、実験について更に追求していきます。
面白かった。
実験で失敗してしまいました。
難しかったが、班で協力できた。
などの『感想』や小学生の『日記』や『反省文』にならないようにしてくださいね
『考察』は例えば、、、
実験で失敗した原因を考えます。
オキシドールのボトルに表示してある濃度とかけ離れてしまったときの原因を突き詰め実験の精密さを高めるためにどうしたらいいのか、また実験方法について別の方法、手法を考えるなど。
他にも実験に使用する試薬で、なぜ過マンガン酸カリウムを酸性にするのに硫酸を使用するのか、硝酸や塩酸ではダメな理由を調べて掘り下げていくなど。
『考察』は無限にあります。
オキシドールのメーカーを変えたら濃度はどうなのか。硫酸の濃度を変えたらどうなる??など、疑問に思うことは考察の第1歩です。
疑問や興味をもって調べたり、事象を探究していく姿勢が大切です