昨年末大学で行われた、高校生対象の化学教室に参加しました。
前回は見学だけでしたが、今年はお願いして定員の少ない講座に、参加させて頂きました。
私が参加したのは、合成繊維ナイロンを作ろう!という実験講座。
「ナイロン66」と「ハイドロゲル」を合成しました。
ナイロン66は前任校では行っていました。
昨年のblog
ただ、他の実験の抱き合わせなので、必要な薬品はこちらで事前に調整しておいて、混ぜるだけにしてあったのですが、今回は違います。
水酸化ナトリウムの水溶液を調整するところから始まりました。
水に水酸化ナトリウム(粒状)を入れると熱が出ます。普段は熱が出てもそのまま適当に調整して放冷しておくのですが、今回はきっちり、氷水で冷却しながら行いました
A液:水酸化ナトリウムaq+ヘキサメチレンジアミン
B液:二塩化アジポイル+ヘキサン
丁寧にメスシリンダーでそれぞれ測り取りながら行いました。
ヘキサメチレンジアミンだけは、常温で個体のため、あらかじめ大学生が用意してくれていました。
私は湯煎で適当に溶かしてビーカーにドボッでしたが(  ̄▽ ̄)、少しずつ溶かして測りとったということでした。
さて、A液にB液を静かに加えていくのですが、、、
パスツールピペットという細いピペットで壁面に伝わらせながら静かにゆっくり加えていきました。
そうすると、2層に!なります。
境界線(↑の矢印のところ)をピンセットでつまみ上げて巻き取ります。
メタノールとアセトンの溶媒で二回ほど洗います。
さらに水でも洗います。
ろ紙に広げて乾燥させ完成です
こういった大学の化学教室では、実験器具の使い方を大学生が丁寧に高校生に教えてくれることが魅力の一つです。
普段はグループ実験で、実験の一部しか関わることができないので、すべての作業を自分で行える!ということは良い経験だと思います
また、私も実験器具の使い方の勉強になりました!(*^^*)
静かにゆっくり加え、、、と実験書になっていると、ガラス棒でゆっくり入れさせればいいかな?とざっくり思っていましたが、パスツールピペットを使う!なんて方法もあるのかあ♪と思ったり、、、
研究室の消耗品の管理状況をみて参考になったり、、、有意義な時間でした。
ハイドロゲルの合成
これは、おまけの実験。6人で行いました。高分子が架橋により、網目状構造となったものを高分子ゲルと呼ぶそうです。
高校化学の教科書の一番最後に出てくるのですが、ハイドロゲルは見当たらないかな(  ̄▽ ̄)
イソプロピルアクリルアミド
アクリルアミド
メチレンビスアクリルアミド
過硫酸アンモニウム
テトラメチルエチレンジアミン
これらの薬品を混ぜ合わせて作ります。
丁寧に電子天秤で測りとります。
この型の天秤は初めてでした。
使い方がわからず、大学生に教わりながら作業しました。
型に流し込み約15分。
面白いのはここから!
熱湯と氷水のビーカーを用意してそれぞれに入れてみると、同じゲルなのに変化するんです。
温度によって変化する温度応答性ハイドロゲル。普通、ゆで卵のように1度変性してしまうともとには戻らないイメージですが、これは戻ります。
温度によって無色透明と白色をいったりきたり。
薬品の分量は大学生が苦労して調整したそうなのでここではナイショにしておきますね。