なんとなく実験しています

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日々のアウトプット、メモ帖、備忘録として

※正解は一つではないです。選択肢の一つとして参考にしていただければと。

ヨードホルム反応 ヨウ素の量

少し前になりますが、有機化学、ヨードホルム反応の実験を行いました。

以前の実験の様子はコチラ↓

canacana44.hatenablog.com



『ヨードホルム反応』実験
I2ヨウ素 0.5g
2mol/L NaOH 2mL
純水 2mL
C2H5OHエタノール2mL

50度で湯浴してから
2mol/L NaOHを少しずつ1~2mL滴下して振り混ぜヨードホルムの沈殿を確認する。

という簡単な実験なのですが、、、昨年の実験では成功率が低かった!!
事前の試し実験では何の問題もないのに、、、

ヨウ素は昇華する性質があります。
固体から気体の状態に変化するのです。

ヨウ素の昇華の様子

 

canacana44.hatenablog.com



ヨウ素は毒性は低くても劇物に指定されています。気体の蒸気を吸い込むと何とも言えない感じで、むせます
ということで、あらかじめドラフト内で分量を用意しておきます。

イメージ 2



しかし、、、ヨウ素は昇華します

イメージ 3



同じ分量を試験管に用意しておいても、昇華してしまう分、ヨードホルム反応に必要なヨウ素が足りなくなってしまうのではないかな??と考えました。

実際、同じ分量のハズのヨウ素水酸化ナトリウム溶液で溶かした時に、班によって液体の色に変化(写真↓)が見られました。

イメージ 1



エタノールを加えて50度ほどで温め、さらに水酸化ナトリウム溶液を加えていきます。

イメージ 4

 

イメージ 5


ヨウ素を溶かしたときに褐色が薄いとヨードホルムの沈殿がわずかで、確認が困難でした。

イメージ 6


ということで、ヨウ素水酸化ナトリウム溶液で溶かした時点で、色が濃い褐色にならないとヨードホルムの沈殿は確認できないということがわかりました。



同じ実験を理系クラス全部行うので、1クラスずつ試してみました。

ヨウ素の分量は約0.5g
結果1/2の班で薄い色が確認できたので、その場で薬さじ1杯追加投入
 
ヨウ素約0.7gで用意
すると、、、1/3の班で追加投入しました

ヨウ素約1gで用意すると、、、
1/10の班、つまり、1クラス10班なので、かなり成功率が上がりました❗
ヨウ素約1.2gで用意すると全ての班で追加はしませんでした。
しかし、ヨウ素を溶かす作業が時間がかかるようになってしまいました


ヨウ素は昇華してしまうので、準備が早すぎると昇華する量も増えて失敗する確率が高くなります。(でも連続で実験の時は困りますね~)

さらにさらに、気温も重要です。
室温が高いとさらに昇華しやすいし、ヨウ素の固体の粒の大きさもポイントです。

料理の職人のように、その日の気温やヨウ素の固体の状態によってさじ加減を変えないといけないのです

まあ、、、実験中にヨウ素を追加投入すればいいのですが、、、大変焦ります
助手泣かせな実験でした